婚活中毒 著者:秋吉理香子
婚活中毒は4つの短編からなる短編集です。
この記事ではそれぞれのネタバレや感想について記述していきます。
理想の男
結婚相談所で紹介された男性がなぜ今まで残っていたのかと思うほどの好条件の男性でしたが、その男性が過去に紹介された三人の女性が全員無くなっていることに気づきます。
最初は杉下本人が金目当てで殺害しているのだと思いました。
しかし、亡くなった三人を殺害したのは杉下本人ではなく、結婚相談所で杉下を紹介してくれた女性です。
結婚相談所で杉下を紹介する女性が杉下を独占するため、杉下に近づいた女性を次々に殺害していました。
婚活マニュアル
洋介は愛奈と付き合う中で愛奈の要求に応えられなくなり、婚活のコンパで愛奈と一緒にいた可愛いとは言えない見た目の靖子の家庭的な部分に惹かれるようになります。
しかしこれらはすべて靖子と愛奈の作戦でした。
最初は愛奈が相手と付き合い食事やプレゼントなどの要求を上げていき、それに耐えられなくなった相手は相対的に靖子の家庭的な面に惹かれるように仕向けます。
そうやって靖子に交際を申し込むに至った男性の中から靖子が気に入った男性を選んで付き合うという、愛奈と靖子の裏で手を組んでいるからこそ成しえた見た目のハンディキャップを心理的な裏を突いて乗り越えようとする作戦でした。
リケジョの婚活
恵美は理系であることの強みを活かして、相手を分析し、なんとしても典彦を落とそうとします。
万全の対策のもと、それを実行し典彦と付き合おうとしますが、結局典彦は別の女性を選んでしまいます。
しかしこれで終わらないのが理系女子の婚活。
典彦の家族に挨拶した際、甥っ子にプレゼントしたロボットにはカメラが仕掛けられていました。
まだまだ典彦を諦める気のない恵美の婚活はまたデータ分析から始まります。
代理婚活
息子の代わりに親が婚活をするということに最初は乗り気でなかった益男。
しかし相手の母親の女性に惹かれてしまい、息子は断って欲しいというのに相手の母親と会いたい一心で息子の知らないうちにどんどん話を勝手に進めてしまいます。
もう取り返しのつかないところまで来てしまっていましたが、相手の家族が詐欺グループだったことが発覚し、幸いにも益男の嘘がばれることなく終わります。
まとめ、感想
婚活に対する色んな人たちの悪意だったり執着心が伝わってくる作品です。
男性側が女性側に利用されるという展開が多くて改めて男ってバカな生き物だなあと思いました(笑)。
男性よりも女性のが恋愛上手ということの現れなんでしょうかね。
どの作品もサラっと読めて、ミステリーっぽい展開もありますがどの短編も読みやすくていい作品だなと感じました。
婚活というテーマに抵抗のない方にはオススメの本です。
コメント