この記事では小説「六人の嘘つきな大学生」のネタバレについて解説していきます。
※ネタバレ注意です。
告発文を用意させた犯人は誰?
告発文を犯人の指示で会場まで持ち込んだのは森久保でしたが、森久保は真犯人ではありません。
告発文を用意し、森久保を利用し会場まで持ち込ませた真犯人は久賀です。
犯人の目的は?
最初は誰しもが犯人の目的はスピラから内定を獲得することだと考えていましたが、久賀の目的はスピラから内定を獲得することではありませんでした。
久賀の目的はこの就活という制度自体に対しての復讐です。
久賀は当時仲の良かった優秀な友達と一緒にスピラを受けており、その友人は選考途中でスピラに落ちてしまいました。
最終選考まで残った人たちが落とされた自分の友人よりも優秀であるわけがないと考えている久賀は最終選考に残った人たちの粗探しを始めます。
そのタイミングで6人の中から一人内定者を決めるようスピラから通達があり、久賀はこの選考方法を利用し、最終選考まで残った人たちの裏の一面を公にすることでこの就活制度がいかに杜撰なものか知らしめようと考えるのです。
なぜ犯人が分かったのか?
犯人が久賀だとたどり着いた波多野と嶌は波多野の告発文であることに気づきました。
波多野の告発文は未成年飲酒をしているというものでしたが、その写真はサークルのホームページから引っ張ってきているものであることは明らかでした。
しかしサークルのホームページから飲酒の写真をもってこようと考えるならスミノフを飲んでいる写真を素通りして、ジャンクとしてまとめて放り込まれている念入りに探さないと見つからないような場所から持ってきていることになります。
つまり、犯人はスミノフをお酒だと気づけなかった人物、お酒に詳しくない人物だと考え、そこで犯人が久賀であることに気づきます。
嶌の告発文は?本当に空だった?
嶌の告発文は空ではありません。
これは波多野のついた嘘でした。
なぜ波多野はこんな嘘をついたのか、それは嶌に内定を取らせるためでした。
嶌の告発文は「薬物に手を出していた有名人の兄と同居していること」を報じたものでした。
これは仕事の後輩が兄の話題を出していた時に過剰に反応していた(この時点では兄だと明かされていない)の伏線回収になっていました。
感想・まとめ
犯人は久賀でしたが、久賀自身も結構重めの告発文を自分で出していたため犯人が久賀だと気づけなかった人も多いような気がします。
最初は嶌さんが犯人なのかな、とか考えながら読んでいたのでまさかの展開でした。
波多野は陥れられ、犯人にさせられ、不遇な最期だったように思いますが、最後は嶌さんが犯人にたどり着いてくれたおかげで報われたのかなと思います。
2024年秋には映画化も控えているため、気になる人はぜひ一度読んでみることをオススメします。
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